日本で最初に作られたオリジナルのカトラリーは「ヒメフォーク」と言われています。お菓子を食べるときに使う小さなフォークです。1914年頃(大正3年)には、その見本を八代目捧吉右衛門が東京から持ち帰ったという記録があります。
レストランやカフェなどで新しい洋食やスイーツ、ドリンクなどのメニューが増えるごとに、日本独自のカトラリーが誕生しました。
写真は、上から、ステイタス イチゴスプーン、ニューポート スパゲティフォーク、ニューポート カツカレースプーン
1960年(昭和35年)には、イチゴブームがありました。酸味が強いイチゴを潰して、牛乳と砂糖を入れる食べ方が流行りました。その時、イチゴを潰しやすくするために生まれたのが「イチゴスプーン」です。M字の先割れスプーンは、皿の下が平らでイチゴの形をデザインしたスプーンです。
東京カッパ橋では、海外のプロの料理人から「ストロベリースプーン」の問い合わせが多いそうです。「イチゴスプーン」も日本生まれのカトラリーの1つです。
日本生まれのカトラリーの一部をご紹介します。
ヒメフォーク
日本で最初に生まれた「ヒメフォーク」は、小型のケーキフォークより一回り小さく、和菓子やカットフルーツなどを食べやすくした使いやすいフォークです。
ミツマメスプーン
皿が丸く小さく深いのが特徴です。みつ豆の蜜とカンテンが一緒にすくいやすいようにデザインされたスプーンです。
イチゴスプーン
最近人気が復活、ジャムを作るときスプーンを使って果実潰しや、ニンニクのすりつぶし、子どもの離乳食や介護職の固形物をつぶして食べやすくした使い方が広がっているようです。
グレープフルーツスプーン
果肉をすくいやすくするために柄を長くし、皿の縁に刃を付けてグレープフルーツの房を潰さずにキレイに果肉をとることができます。
メロンスプーン
先割れスプーンとしては、M字状になっていて、メロンやスイカの種を取りやすくし、果肉を食べやすくデザインしたスプーン。
フィッシュソーススプーン
魚料理にソースを使うようになり、ソースをすくうために作られた平たいスプーン。現在は、フィッシュソーススプーンまでが魚料理の定番セットになっています。
スパゲティフォーク
現在のスパゲティフォークの前のデザインです。フォークの端には波模様が入っています。ここでスパゲティを絡めることで食べ易くしています。
スパゲティフォーク
フォークの3本の刃の真ん中だけ長くなっていて、両側が少し広がっていて真ん中の刃をパスタの上に置くと、そこを支点にして巻ける機能的なフォーク。
カツカレースプーン
先端が先割れのスポーク状になっているので、カツを突き刺しやすく、カレーも食べやすいデザインです。このスプーンがないときは、スプーンと箸またはフォークが必要になります。
ロイヤルコーヒースプーン
カフェロワイヤル(ブランデー風味のコーヒー)を入れるのに使うスプーンです。スプーンの先端をデミタスカップの縁に引っかけて渡し、スプーンの皿に角砂糖をのせ、ブランデーをしみこませて火をつけてアルコールを飛ばします。砂糖が溶けてきたらコーヒーに入れてかき混ぜます。
ロイヤルティースプーン
ティーロワイヤル(ブランデー風味の紅茶)を入れるのに使うスプーンです。スプーンの先端をカップの縁に引っかけて渡し、スプーンの皿に角砂糖をのせ、ブランデーをしみこませて火をつけてアルコールを飛ばします。砂糖が溶けてきたら紅茶に入れてかき混ぜます。
スマートスプーン
ごはんに特化したスプーン。皿の厚さを通常1.5mmに対して1mmにすることで、薄く細長くし、大きく口を開ける必要がないスマートスプーンは、ごはんをすくい易くしたスプーンです。