日本最初の洋食器製造は、どこからはじまったのか。1909年の「宮本商工」のカタログに銀製のスプーンフォークが載っていますが、庶民の洋食器ではなく皇族や華族のための超高級品として作られました。1911年銀座「十一屋」からスプーンとフォーク36人分の製造依頼が燕物産(当時、捧吉右衛門商店)に舞い込み、これが燕で洋食器を作った最初でした。
日本初ではありませんでしたが、当時すべて職人の手で作られた洋食器を機械化し、地元の同業者に声をかけ洋食器を燕の産業に育てたのは8代目捧吉右衛門でした。日本初の洋食器製造メーカーの誕生です。燕に洋食器の「はじまり」がありました。
その「はじまり」の裏付けを取りながら取材を進めていただいた朝日新聞社の杉山記者に感謝いたします。燕ではじまった「金属洋食器」について、はじめて外部の方からの裏付けをいただきました。